蝶がひらひらと舞う様子を、透かし編みで表現した作品。 縁の中に隠された編みのねじれを最大化した曲線が特徴。

幾何学図形を重ねることで光のきらめきを表現したPrismシリーズの楕円形版。 これまでにない変則的な組み方で、見る角度によって形態が大きく異なる。 サブタイトルのspaceは、その形態が宇宙的な要素を感じさせることに依る。

娘の誕生とともに身の回りにあふれる、ひらひらとした有機的な曲線。 Frillシリーズは、そういうものからインスピレーションを受けて、スカートのひだのような軽やかさを竹で表現した作品です。 山に生えている竹はまっすぐ天へ伸び、その繊維は直線ですが、同時に曲線にも耐えられるしなやかさを持っています。 一見すると竹には見えないが、竹でしかあり得ない造形。 表面に灰色の漆を塗り重ねた金属的な質感が、作品に現代性を与えている。

竹繊維の特性である張りを活かしながら、布のひだのような軽やかで柔らかな曲線を表現してきたFrillシリーズは、2015年に娘が生ま れたころから作り始めました。今回、旧軽井沢の邸宅を拝見し、山上の空間を体感したことから、このFrillシリーズの技法で、雲をイメー ジして制作することを心に決めました。実際の建築空間は、完成された直線の力強さに満ち溢れた構造でしたので、そこに埋没しない 存在感を持ちつつ、空間に和らぎを与える作品を求めて制作しています。デザイン的な要素を感じさせるそれまでの縁の形態から、同じ 形が存在しない流れゆく雲のように、縁に生き生きとした有機的な揺らぎを与えました。 雲の流れや自然の動きは、その時でしか生まれ得ないもので、だからこそ自然は尊いと考えています。 デザインされた完璧な流れの美しさもありますが、それは人間の意識が生み出したもので、ある意味複製可能なものです。 それに対して、子の誕生がそうであるように、乱れがあるにしてもその時でないと産まれ得ない曲線は、複製不可能で唯一性を持ちま す。雲のような、今にも動き出しそうな作品を感じてもらいたく制作しました。

I started working on “Frill” series in 2015 inspired by the birth of my daughter. The series express uniqueness of each life and each natural phenomenon in this world by integrating contradictory expressions of bamboo, stretched taut and cloth-like soft curvy lines. I paid a visit to your vacation house at Kyu-Karuizawa to understand actual surrounding atmosphere. I saw perfectly calculated straight lines dominating the architectural design of your house in the mountain. It made me decide to have cloud as the main theme for the piece of my work this time while utilizing features of my “Frill” series. Unlike carefully engineered beauty of design, manually crafted frill finished fringes have a subtle irregularity in it. You just cannot calculate or duplicate such irregularity in any way. That is actually the source of dynamic yet calming atmosphere generated around my “Frill” series works. My “Frill” series are the antithetical to engineered beauty. It will surely have a harmonious but strong presence in your house. Cloud never stays the same, never be the same. It would be my great pleasure if you could feel and enjoy ever-changing cloud around my work.